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千石教室の南です。
コロナ禍の受験戦線はほぼ終わりを告げました。
フレックの進学実績は、おそらくこれまででも最も素晴らしいものだったと思います。
特に大学については、国立・私立ともに早慶をはじめとした有名大学への進学、高校については都立高校受験生が全員合格と、著しいものがありました。
とはいえ、我々は決して、目先の進学実績を上げることだけを目標にしているわけではありません。
極論すれば、能力の高い生徒だけを集めれば進学実績は上がるのでしょうが、それは我々の願いとは全く異なります。
どんな事情のある生徒さんであっても、やる気さえあるのであれば、生徒の皆さんに寄り添い、満足のいく進路を自分の力で切り開いてもらうことに、少しでも貢献することが目的です。
さて、この時期、大学受験を終えて、浪人をするべきか否か悩む人が多くいると思います。
そういった方向けのメッセージとして、以前書いた記事をリライトした形でお伝えしようと思います。
私自身も現役で受験に失敗し、浪人を１年間経験しましたが、私から言えることは
「結局、最後に決めるのは自分だ」ということです。
周りの人や親、塾の先生に相談したとしても、結局決めるのは自分ですし、その決断の責任を取るのは、他の誰でもなく、自分だからです。
浪人しても決して合格する保証はなく、誰も責任を取ってくれません。
むしろ希望以上の学校に行ける人は案外少ないです。
「だから自分で考えて決めてください」
とだけ言うのはあまりにも無責任なので、私の経験を踏まえ、考える材料をお示ししたいと思います。
まず、
①浪人はとても辛いということ。
これはまぎれもない事実です。１８、１９歳、２０歳の多感な青年が、何の組織にも所属することなく世間に放り出されるのは、これは本当に辛いです。
正直、就職浪人や大学の留年の辛さの比ではありません。
同級生が大学でキャンパスライフをエンジョイしている中、１人孤独に勉強する。
ストレス解消だといって酒も飲めない、
友達とも遊べない。
親に面倒を見てもらいながら、高校生かフリーターか、よくわからないような宙ぶらりんの境遇で、１年間勉強のみをするというのは、相当、精神的にこたえます。
「俺は社会に対して何にも貢献できてないなぁ。消費税を払っているくらいだなぁ」と思い、憂鬱な気分になったのを覚えています。
私の経験では５月、６月、７月は、一日一日が過ぎるのが遅く、本当に辛かったです。御茶ノ水にある某予備校に通っていたのですが、今でも御茶ノ水界隈に行くと胸がつかえるような当時の思い出がよみがえります。ただ、１０月頃になると追い込みの時期を迎えますから、あっという間でしたが。
②社会人になるうえで、１年の浪人は全く影響ない
大学を卒業して就活をする際、浪人していたことは全く影響ありません。なぜ浪人していたの？と聞かれたこともありません。留年ならいろいろと聞かれるかもしれませんが、浪人が就活や人生に悪影響を及ぼすことは１ミリもありません。その点は心配ご無用です。
③勉強のみに専念しないと意味がない
浪人生の中にバイトに手を出したり、恋愛に手を出したりする人がいますが、そういう気持ちなら浪人はしないほうがいいです。
（経済的事情でバイトをせざるをえない人は除く）
正直、そんなに甘くない。現役生の秋以降の成績の伸びは脅威です。そのためには春から夏にかけて勉強を積み重ねる必要があります。
浪人生なのに夏の時点で模試がA判定、B判定が出ていないようならその大学は諦めた方がいいでしょう。
朝起きてから夜寝るまで、考えることは勉強のみ。気が狂うまで勉強する覚悟がないと、壮年期の一年を無駄にする意味がありません。医学部受験など特殊な場合を除き、「結果がどうなろうともこの一年で浪人生活を終える」という気持ちが必要です。
こういった事情を踏まえたうえで、浪人するか否かは、親でも先生でもなく、やはり自分の責任で決めるべきです。そして一度決めたら突っ走るべきです。
２回目の大学受験を終えた私は、
「やりきった。もう結果がどうであっても勉強はしない」と思うほどすがすがしい気分でした。
この気持ちは現役時代にはなかった感情でした。結果的に合格しましたが、そんな清々しい気持ちを味わえただけでもよかったと思っています。
さて、浪人せず、第一希望でない大学に行く皆さん。
決めたからにはその大学で目一杯楽しんでください。青春を心から謳歌してください。大学受験は所詮通過点です。行く大学で人生が決まるわけではありません。
大学で、あるいは社会で何をしたかが今後の人生を左右します。
皆さん、とりあえずこの一年本当にお疲れさまでした。
いずれの決断をした人も、自分が選んだ道に誇りを持って前へ進んでくれることを祈念して。
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