英語教育をめぐる変化

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千石教室の南です。

先日、英語の授業が変わりつつあることについて小川先生がブログで指摘してくれていました。

それに関連して私もひとつお伝えしたいと思います。

北区に限らず文京区の中学校でも「文法を教えてくれない」という生徒の声をよく聞きます。

 

 

なぜそうなってしまうのかを考えたいと思います。

 

 

それは学習指導要領で明確に、「文法」よりも「話す力」「聞く力」をメインに据えている姿勢が明確になっていることにあります。(私なりの解釈です)

そして教科書も実は、昔と比べてぐっと変わっています。

例えば文法に関する「記述」は我々の時代よりも圧倒的に少なくなっています。(習う文法事項は増えているのですが・・)

むしろ、会話、あいさつ、外国人の英語話者が使う一言フレーズがふんだんに盛り込まれています。

実際、文京区の区立中学で使われている光村図書の「Here We Go」という1年生の教科書には

冒頭から教えてない文法事項がオンパレードで出てきます。

例えば

・canの文

・want to の文

・ingを使った進行形・動名詞の文

などが大した解説もなく1年生のテキストの前半にバンバン出てきます。

 

 

さらに、全体的に短縮形を使う文が多用されているように感じました。

例えばI am →I’m  Who is  →Who’s などです。

I は何か、amは何かを学ぶ前に、いきなりI’mが使われているので、個人的には不親切に感じました。

確かに会話ではわざわざ、「アイ アム」とはっきり分けて発音することはなく「アイム」というほうが大半なので、会話を意識した文章にしたのかもしれませんが、果たして中1の英語を習い始めの生徒にわざわざこういうふうに無駄に難しくする意味があるでしょうか。

個人的にかなり疑問です。

ただこれは「be動詞とかそういう基礎的なことは小学校でやってきているでしょう」ということなのかもしれません。

 

 

しかし学校現場を知っている方からして、小学校英語でしっかり文法を教えられているでしょうか?

まとまな英語教育が行われているという人がどれだけいるでしょうか?

はっきりいって「英語に親しもう」程度の授業しか行われていないのではないでしょうか。

そんな子供達に中1からこのレベルの教科書を与えるというのは疑問に感じざるをえません。

 

 

話は逸れましたが、冒頭の問いに戻りましょう。

なぜ文法を教えてくれないのか。

私の推察ですが、世間一般でよく言われる「教える時間が足りない」という理由のほかに、

「そもそも教科書が文法を重視した構成ではないので、先生としても文法を教えづらい」ということも挙げられるのではないかと推測しています。

で、学習指導要領も話す力・聞く力を重視していますから、これでは先生も文法を教える気にならないのはよくわかりますし、同情さえします。

 

 

私は学者ではないので英語教育がどうあるべきかについて確固たる確信があるわけではないのですが、これは壮大な実験をしていると考えています。

「文法をあまり教えずどれほどの英語力がつくのか」という、生徒を実験台にした文科省による実験です。

この学習指導要領を作った学者や文科省の役人は、文法をしっかり学んできた世代であるにも関わらず、です。

私が講師として教えている実感としては、中学生の英語力の向上を感じるケースはほぼ皆無です。

むしろ、最近は文法を知らない中学生が多く、雰囲気で文章の内容はつかめるけど、自分で文章を作るとなると、単語の順序はめちゃくちゃ、a、単数複数、三単現、時制などもめちゃくちゃという生徒が後を絶ちませんし、どんどん増えている傾向にあると感じます。

さらに悪いことに、英検信仰が強い昨今では、英検の低い級では、読解問題などで意外と単語さえわかってしまえば正しい選択肢を選べてしまって合格することがあるため、文法ができていない生徒が危機感を持ちません。

また保護者までも「うちの子供は英語が得意だ」と誤解してしまっている現状があります。

 

 

こういう現実を見てみると、帰国子女ではない日本人が英語を学ぶには、文法は大きな手助けになると思わざるをえないわけです。

 

 

ただ反論として、学習指導要領は何も「文法を教えない」と言っているわけじゃないと、指導要領を作った方からは言われるかもしれません。

ただ、現実として、学校教育の現場では、文法を教えなくなってきている、あるいは教える余裕がなくなっているということに意識を向けていただきたいのです。

 

 

 

視線を大学受験、またTOEIC、TOEFLという資格試験にまで目を向けると、文法は必要不可欠です。

有名大学の大学入試の英語をみてください。東大に至っては文法問題は毎年必ず出題されます。

英作文は、はっきりいって文法の知識の差が得点の差に直結します。

TOEICを受ける段階になって、文法を学びなおす大学生や社会人も多いくらいです。

そして何より、帰国子女ではない日本人で英語が得意な人の中に、文法が分からない人はほぼいません。

 

というわけで、フレック学習塾では、文法をしっかりと教えながら、生徒の英語力向上に力を尽くしたいと考えています。

最近の学校の英語教育で新しい情報や不満・疑問点など思うところがあれば、いつでも情報をお寄せ頂けると幸いです。

 

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