都立高校一般入試解説【理科編】

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こんにちは、西ヶ原教室の小川です。

 

まずは都立高校一般入試を受験した中学3年生の皆さん、本当にお疲れさまでした。

今年度は今回受験した多くの中学生にとって、人生で一番勉強した1年だったのではないでしょうか?

もちろん、今後の人生の中ではこの1年よりもっと勉強をする機会もあると思いますが、受験勉強を”やりきった”皆さんなら、また”やりきれる”と信じています。

ぜひ、高校に合格して勉強をやめてしまうのではなく、高校ではこれまで以上に勉強を継続してください。

 

さて、今回は先日南先生が投稿していた都立入試の数学の分析に引き続き、理科の分析をしたいと思います。

基本的なレベルの問題で、確実に正解を狙いたい問題には”、学校のワークに載っているような典型的な問題でなるべく落とさないようにしたい問題には”標準、比較的難易度が高い問題には”としてあります。

この投稿では特に多くの受験生が手こずったであろう問題のみを解説をしています。

来年度に都立を受験をする方はぜひ参考にしてみてください。

また、中学理科の知識は高校の理科系科目にも利用することが多いので、受験を終えた方もぜひ参考にしてみてください。

 

【大問1】難易度:すべて易

大問1は全て学校で配られる問題集に載っているような基本的な問題で、中堅以上の高校を狙うのであれば、ほとんど落とすことができない問題ばかりでした。

あえて取り上げるとしたら問3の地震の問題でしょうか。

たまに初期微動や主要動が始まった時刻や地震の発生時刻の求め方を公式化している生徒がいますが、この単元で公式化することはおすすめしません。

また、この問題のように震源からの距離や時間を求める問題は小学校で習う「道のり・速さ・時間」の関係をしっかり理解していれば解くことができます。

初期微動や主要動の到達時間や速さを求める問題は、都立入試で地震の問題が出題された時に必ずと言っていいほど出題されるので、必ず解けるようにしておきましょう。

 

【大問2】難易度:問1、2、4は易、3は標準

大問2も大問1と同様、中堅以上の高校を受験する場合は落とすことができない問題が多かったと思います。

ただし、問3は間違えてしまった人も多いのではないでしょうか。

この問題を解くために必要な知識は「液体より密度が大きいと沈み、液体より密度が小さいと浮かぶ」、「密度は質量÷体積で求められる」、「水の密度は1である」という3つになります。

そして、今回の問題のラベルは水に沈んでいるため、この時点で密度は1より大きいことがわかり、解答をアの「ポリエチレンテレフタラート」とイの「ポリスチレン」の2つにまで絞ることができます。

次に、問題文の2段落目の「ラベルは50cm³の水に15gの食塩を加えた55cm³の食塩水に浮いた」という結果に着目すると答えが出ます。

「水の密度は1である」=「水1cm³は1gである」なので、この食塩水の質量は65gとなり、体積が55
cm³なのでこの食塩水の密度は65÷55≒1.18になります。

そして、この食塩水に浮いたということは、ラベルの密度は1.18未満ということになり、解答はポリスチレンということになります。

 

【大問3】難易度:問1は難、問2、問3は易、問4は標準

大問3は全体的にしっかりと暗記事項をおさえている受験生が点数を取れる仕様になっていたと思います。

ですが、湿度の計算問題にアレルギーをもっている人にとって問1は難しかったのではないでしょうか。

そもそも湿度は

で求めることができるわけですが、今回は肝心の水蒸気の量も飽和水蒸気量もわかっていません。

そこで利用するのが、「気温が高いほど飽和水蒸気量が大きくなる」という空気の性質です。

このことに着目すると、各空気の気温の高さはa>b>cとなっているため、飽和水蒸気量の大きさもa>b>cとなります。

飽和水蒸気量とは飲み物に例えると「コップの大きさ」で、水蒸気の量とは「コップの中の飲み物の量」、湿度とは「コップ全体のどのくらい水が入っているか」です。

今回は湿度が全て同じなので、a,b,cの空気の関係は下の絵のようになります。(全てのコップに占める水の割合を84%とする)

 

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.        a                                      b                            c

「コップの中の水の量」=「水蒸気の量」の大きさの関係はa>b>cとなっていますよね。

よって、解答はイとなります。

 

【大問4】難易度:問1は易、問2、問3は標準

大問4では「光合成と呼吸」の単元の問題が出題されました。この単元は計算問題があまり難しなく、そもそも計算問題が少ないため比較的得意な生徒が多く感じます。

あえてピックアップするとしたら問3でしょうか。

この問題を解くためには「二酸化炭素が減るということは呼吸より光合成が活発に行われていて、二酸化炭素量が増えている場合は呼吸が活発に行われている」という事と「光合成が行われるとデンプンができる」という事のみを知っていれば十分で、本質は非常に基礎的な問題なのですが、この問題を解くために全く必要のない数字や文章がたくさん書かれていたため混乱した受験生も多かったのではないでしょうか。

この問題にはG、H、Iの3つの袋が登場しますが、この問題を解くためには袋Hと袋Iにのみに注目すればokです。

袋Hは実験後に二酸化炭素量が4.0から5.6にまで増加しているので、呼吸が活発に行われていたことがわかります。

一方袋Iは実験後に二酸化炭素量が4.0から1.5 へと減少しているため、光合成が活発に行われていたことがわかります。

よって①の解答はイ。

また、光合成によってデンプンが作られるため、光合成を活発に行なっている袋Iの方がデンプンなどの養分が多くなるため②の解答もイとなります。

 

【大問5】難易度:問1、問2、問3は標準、問4は難

大問5は炭酸水素ナトリウムの熱分解の実験で、問4はグラフを読んだり計算をすることが苦手な受験生にとっては、今回の理科の入試問題の中でトップクラスで難しい問題だったのではないでしょうか。

問4の解説をする前に問3の解説からしていきます。

まず注目するべきは、<結果2>の炭酸水素ナトリウムを1.00g加えたときの反応後の質量です。

この時、79.50gの塩酸に0.50gの炭酸水素ナトリウムを加えているのでビーカー内の総質量は

79.50+0.50=80.00gになるはずです。

ところが、反応後の質量は79.74gとなっています。

これは発生した気体がビーカーの外に逃げてしまったためであり、その気体の質量は塩酸と炭酸水素ナトリウムの合計から実際の反応後の質量で求めることができます。

つまり、80.00-79.74=0.26gが発生した気体の質量ということになるため、グラフ上では横軸が0.50のときに縦軸の値が0.26となっている箇所に点を打ちます。

そしてこの作業を炭酸水素ナトリウムの質量が1.00gのとき、1.50gのとき…と繰り返せば解答がウになることがわかると思います。

ちなみにこの問題に関しては簡単に解答を導くテクニカルな方法もあるのですが、今回は割愛させていただきます。

 

そして問4では、問3の解答であるウのグラフを利用します。

ウのグラフは炭酸水素ナトリウムが約2.2gの時まで直線になっていると思います。

また、このグラフは原点を通っているため比例のグラフであることも分かります。

横軸が1.00のときに縦軸が0.52なので、炭酸水素ナトリウムの質量をx、発生した気体の質量をyとするとy=0.52xという関係式が成り立つことがわかります。

そして問4では発生した気体、つまりyが0.65であることがわかっているので、式にy=0.65を代入するとx、つまりは炭酸水素ナトリウムの質量が1.25gであることがわかります。

そして、今回の問題のベーキングパウダーは4.00gなので、その中に含まれている炭酸水素ナトリウムの割合は

1.25÷4.00×100=31.25%であり、解答は四捨五入して31%となります。

 

【大問6】難易度:問1、問2は標準、問3、問4は難

最後の大問は電気分野の問題でした。この単元は特に苦手な受験生が多く、全問不正解だった受験生も少なくはないと思っています。

今回はそんな大問6の中でも、特に苦戦した人が多そうな問3について解説していきます。

この問題を解く上で必要な知識は「直列回路ではR1+R2=Rという関係が成り立つこと(R1、R2は各抵抗器の抵抗、Rは回路全体の抵抗)」「並列回路では1/R1+ 1/R2 = 1/Rが成り立つこと」、「抵抗が大きいほど流れる電流は小さくなる」、「流れる電流が強いほどコイルが速く回転する」という4点です。

上記の関係式を利用するとアでは、5Ωと20Ωの抵抗器を直列につなぐため、回路全体の抵抗は25Ωとなります。    同様にして上記の関係式を利用すると、それぞれの回路全体の抵抗はイ→4Ω、ウ→30Ω、エ→約6.6Ωとなります。

よって、抵抗の大きさは大きい方から順にウ→ア→エ→イとなり、流れる電流の強さ、つまりコイルの回転の速さはイ→エ→ア→ウとなります。(ちなみに、今回はア〜エの回路の抵抗を求めましたが、抵抗を求めなくても解答を出すことは可能です。 )

 

 

さて、ここまでいくつかの問題を解説してきましたが、見てわかる通り数学と同様に全体の約7割が標準レベルの問題です。

つまり、学校のワークに出題されているレベルの問題をしっかりと理解していれば7割近くの問題を解けるのです。

「難」の問題に関しても学校のワークには載っていない問題かもしれませんが、ワークの説明欄や解説をしっかりと読んでいる受験生なら十分に対応できる問題でした。

ただし、今年度の問題は計算問題が比較的多く、さらに問題文には計算に使わない余計な数字が書かれていることが多かったので、普段問題文に書いてある数字を適当に公式に当てはめて”なんとなく”で計算問題を解いている受験生にとってはかなりハードな試験だったと思います。

ですから、”なんとなく”で解く習慣がついてしまっている方は今日からでも考えを切り替えて、「なぜその答えになるのか?」を考える習慣をつけていくようにしましょう。

 

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