生物を勉強していると、「原核生物」や「真核生物」、「原生生物」など様々なカテゴリーが登場しますが、今回はその中でも特に分かりにくい「ウイルス」をピックアップしていきたいと思います。
皆さんも、薬品の広告などで「ウイルス」という単語を見かけることがあるかもしれませんが、そういった広告の中には、ウイルスを「微生物」扱いしていることがあったりします。
しかし、これは間違いです。
結論から言ってしまえば、ウイルスは生物ではありません。
では、なぜウイルスが生物ではないのか、それを説明する前に、まずは「生物の定義」を紹介したいと思います。
〜生物の定義〜
①細胞膜を持つ
②DNAを持ち 、自己複製する仕組みがある。
③体内環境を一定に保つ仕組みがある
④ATPを利用してエネルギーを確保している
この4つの条件全てに該当して、初めて「生物」と呼ぶことができます。
ところが、ウイルスはこの定義にほとんど当てはまっていません。
例えば①について、確かにウイルスも膜を持っていますが、あれはタンパク質でできている殻であって、細胞膜ではありません。(細胞膜にはタンパク質だけでなく、リン脂質も含まれています。)
よって、この時点でウイルスは「生物」とは呼べないのです。
また、②においても、 確かにウイルスは大量に増殖しますが、その為には他の細胞に感染しなくてはならず、「自己複製」 とは言えません。
と、こんな感じで、ウイルスについては「生物」ではなく、あくまで「物体」や「構造体」といった認識を持っておくと良いでしょう。